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神聖なる解剖模型:寺岡政美の彫刻

今回の展覧会に展示されている寺岡政美(1936年生)の3つの彫刻は、特にアーティスト自身が1960年代にロスアンジェルスで個人的に経験した性的な革命に呼応して作られた作品である。その革命とは、フェミニズムやゲイ行動主義の台頭、そして経口避妊薬の合法化、 特に性に関しての一般的な社会的モラルの低下など。

名古屋を訪ねた数年後、寺岡は木製の巨大な男根が恒例行事である豊年祭のような公のイベントで何世紀にもわたって色々な地方で普通に展示されていることを学んだ。しかしながら春画のように、これらの男根行列は19世紀の終わりには人気を失っていた。皮肉なことに豊年祭のスポンサーを続けている田縣神社は名古屋の近くに位置していた。

男性中心主義として非難された男根のように、寺岡の彫刻は、性的解剖学に間接的に言及している:精子細胞、女性の性器、そして男性器と女性器の結合など。