よしながふみ(1971年生)
大奥

2005年
(TD 2014-81-08)

歴史改変SFものとして知られる「大奥」。大奥は江戸時代(1615-1868)の日本を男性だけがかかるという疫病が襲い、その結果男女の人口比が劇的に変化したという前提に基づき描かれている。この漫画の舞台となった18世紀の初頭では女性が政治、経済の全てのポジションを担っていた。したがって、男性は性的奴隷の役割を担い、幸運な男性は女性将軍の側室達によるハーレムである大奥に入ることを許された。安野モヨコ(1971年生)による「さくらん」(2012)同様、この「大奥」は吉原に住んでいる女性達の誰もが経験した不正や苦境をするどく描き出している。

2009年、「大奥」は過去2年にわたりノミネートされた後、手塚治虫文化賞大賞を受賞した。金子文紀監督(1970年生)により2010年に映画化され、2012年には「大奥~誕生」としてテレビドラマ化され、「大奥~永遠」として再度映画化された。