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日本漫画の芸術

漫画という言葉がもっとも初期に使われた作品の一つとして知られているのが、伝説の絵師、葛飾北斎(1760-1849)によって1814年に描かれた15巻シリーズのスケッチブック「北斎漫画」である。しかしながら、現代の漫画のスタイルのルーツは、 僧侶であった絵師、鳥羽僧正(1053-1140)が12世紀に描いたと伝えられている「鳥獣戯画絵巻」の滑稽なカエルとウサギにまでさかのぼると言えよう。

漫画という言葉を「物」として意味するだけでなく、漫画という言葉の意味はアーティストが彼/彼女の考えを読者に伝えるための手段なのではないかと言う人もいる。ウィル・アイズナー(1917-2005)とスコット・マクラウド(1960年生)が述べたように、アーティストは決まった順序に並べられ、図像学(絵の表す意味や起源を研究した学問)的に選ばれた簡単な画像でストーリーを再構築する。 そして、漫画の読者は、 一つ一つの画像を視覚的に飾り、まとまった一つの物語として画像を結びつけるために 無意識のうちに想像力を使っている。このように、読者は無意識のうちに想像力を使うので、漫画だけでなく巻軸、シリーズ化された木版画、または映画の絵コンテなどを含む挿絵入り物語を描いた芸術は、アーティストと鑑賞者との共同作業によって生まれるということをしばしば見過ごしてしまう。

漫画を他の物語の形式と区別する一つの特徴として、 日本語の文字(表意文字、発音音節、もしくはローマ字)が構図の中に(縦書き、または横書きで)様々な方法で一緒に表示されることである。その他の特徴としては大人の間でも大人気であることと、無数のジャンルがあるということ:ミステリー、ファンタジー、サイエンスフィクション、ホラー、ロマンス、そしてもちろんエロチカ。