田亀源五郎(1964年生)
髭と肉体
2009年
(TD 2014-81-10)
現代日本におけるゲイの男性アーティスト達は、彼らのセクシャリティーを語る様々な方法を探究しているが、薔薇漫画 - ゲイの男性読者向けとして描かれたイラスト付きの物語- は、えすとえむ(1981年生)作品のようなBL(ボーイズラブ)漫画とは違う独自の美学というものに重きを置いている。薔薇漫画では性行為をドラマティックで暴力的、時にサディスティックなものとして描いてきた。「髭と肉体」は、その傾向を代表する作品で、田亀の漫画では、その逞しい登場人物達は、 緊縛やサド・マゾなどの常軌を逸した手の込んだ嗜虐的性向に耐え忍んでいる。