ツバキアンナ(1970年生)
春の嵐
2012年
(L.2014-53.03)
遠山景元(通称 遠山金四郎)(1793-1855)は江戸町奉行を勤めた歴史上の人物であり、1970年から1996年にかけて、彼の伝説に基づいた時代劇「遠山の金さん」は日本でテレビ上映された。ドラマの中で主人公である遠山金四郎は入れ墨をした遊び人に扮して犯罪を取り調べ、ドラマのクライマックスシーンでは奉行所に連れてこられた犯罪者が無実を訴えると、金四郎はドラマティックに着物の片袖を脱ぎ、肩にある桜吹雪の入れ墨を見せ、自分がその事件の現場にいた証人であると明かす。
遠山の金さんをモデルにしたツバキのこの作品では、正義の味方であるはずの主人公が正義や公平さの概念を捨て去り、彼自身のサドマゾ的興奮を満たすために好みのタイプの遊女を不当に逮捕し、裁判のまねごとをしている。