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「セラと蛸」が表す意味とその起源

「セラと蛸/セブンスヘブン」(2001)は 南北朝時代(1336-1392)に遡る日本の神話「大織冠」に影響を受けている。この神話は、あわびを取っていた海女が海中の宝の玉を見つけ、それをこっそり持ち逃げしようとしたところ海の竜王とそのしもべの蛸や他の手下の怒りをかうという話である。江戸時代(1615-1868)の浮世絵や版本の人気の題目として、その話は「玉取り物語」として有名になった。

日本のエロティックアート史上、最も良く知られた作品で海女と蛸をテーマにしたものと言えば、葛飾北斎(1760-1849)により描かれた艶本「喜能会之故真通」(1814)の第三巻に登場する画である。(今は「蛸と海女」として知られている)この絵の登場人物の周りに北斎はユーモラスな会話を描いている。蛸は海女にクンニリングスをしながら、海女を竜王の城に閉じ込める前に彼女を襲おうとしていたと言明している。最初、海女は抵抗していたが、それはすぐにエクスタシーへと変わっていった。

左:歌川国芳(1797-1861)「龍宮玉取姫乃図」
1853年
(11641.39)