春画に登場する外国人:魅惑的な女性達
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長崎でヨーロッパやアジアの商人達が頻繁に見られる様になる一方で、19世紀の後半まで在留女性外国人はほとんど目につかないか、または完全に存在しないかであった。それ故、春画と、それ以外の日本美術において外国人女性は、ほとんど空想で描かれていた。多くの日本人絵師達は、中国人女性を描く時には西王母のような道教の女仙を参考にし、同様に、西洋の女性を描く際のモデルは銅版画にある裸婦やその他の理想化された女性像くらいしかなかった。世界中の男性が遠く離れた魅惑的な女性だけの島について幻想を抱いていたが、近世日本の人々にとって、他の国の女性とは想像するだけの存在であった。