1760年代以降の吉原における女性の階級制度
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花魁:
呼び出し昼三、昼三、付廻と呼ばれる三階級に属する最上級の遊女を総じて花魁(「私の姉」という意味)と呼んだ。一人、もしくは二人の新造と二人の禿を従えていた。

呼び出し昼三:
その名のとおり「事前に予約をしなければ会う事が出来ない遊女」という意味の呼び出し昼三は、最高級の花魁である。吉原の茶屋を通じて予約をとらなければならなかった。呼び出し昼三の費用は45匁で、米ドルでは$1,350ほどであった。

昼三:
二番目の階級の遊女である昼三は、置屋にある格子張りの部屋で客を待ち、その費用は呼び出し昼三と同じく45匁で、米ドルでは$1,350ほどであったが、予約は必要なかった。

付廻:
三番目の階級の花魁。費用は30匁で、米ドルでは$900程度。

座敷持ち:
中級クラスの遊女。「家の主」という意味の名のとおり、客と会うための部屋を含む二部屋の住処を持っている。座敷持ちは一人か二人の新造と、禿を引き連れてくる。座敷持ちに会うための費用は、15~30匁で、米ドルで$450〜900程度であった。

部屋持ち:
「部屋の主」という意味の名を持つ中級クラスの遊女。一部屋の住処を持ち、そこで客と会う。部屋持ちにはお付きの者はいない。部屋持ちにかかる費用は7.5~15匁で、米ドルで$225~450程度。

新造:
十代の遊女見習い。1761年以前まで太夫に仕えていた新造は、客との性的交渉は禁じられていたが、享保の大飢饉以降、彼女達も最下級の遊女として働くようになった。費用は7.5匁以下、米ドルで$225程度。