鈴木春信により再び息を吹き返した古典文学
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鈴木春信(1725?-1770)は彼の絵師としての技術と絵画様式の革新化に加え、和漢朗詠集などの古典文学を、それまでの絵師達とは違い、あざけることなく真摯な態度で春信自身の作品に引用することにより、春画と言うジャンルを生き返らせた。彼は多くの人が長い間、古典文学の中で見落としていた官能的な隠れた主題を見つけて照らし出すことに成功し、読者に古典文学の大切さを再認識させ、関心を復活させながら、同時に伝統的価値の表現や洗練された美学として春画と言うジャンルにも価値を与えることに成功した。