1750年以前の吉原における女性の階級制度
English Version 日本中の性産業は、13世紀にはすでに階層化されており、江戸時代(1615-1868)初頭には吉原の発展を、その社会的階層で割りとはっきりと説明できるであろう。ここでは1617年から1750年までの吉原での遊女の階級を紹介する。
太夫:
最も高い地位の遊女。吉原で太夫に会いたいという客は、揚屋を通じて取り次いでもらい、さらに吉原にある茶屋の紹介が必要であった。客の申し込みが許可されたら、太夫の所属する置屋に連絡が送られ、太夫は4人かそれ以上のお付きの物と共に現れる。太夫が到着すると太夫と客は手の込んだ前もって決められた儀式、簡単な場合は伝統的な結婚式のようなものをして、そしてその儀式の後に太夫は帰ってしまう。一度の訪問で70-90匁の銀が必要で、米ドルでは$2,100~2,700となる。たとえ三度目の訪問でも、その客が太夫の好みではない場合は、何の懲罰もなしにその客を断る権利が太夫にはあった。多くの客は太夫に気に入られる様にする事は、心躍るイベントであると考えていた。
格子:
吉原で太夫に順ずる位の遊女。太夫の場合と同じように、客はまず吉原内の揚屋に取り次いでもらわなければいけない。そして茶屋からの紹介をもらい、もし申し込みが了承されたならば、格子の所属する置屋に連絡が届き、出会いが現実となる。格子はお付きの者と一緒に客の前に現れ、客との正式な儀式を行う。太夫ほどではないが、格子にもまた客を断る権利がある。その後の訪問では、客は格子の住んでいる置屋の中にある格子張りの部屋へ直接行くことができる。一度の訪問にかかる費用はだいたい35~60匁が必要で、米ドルでだいたい$1,050~1,800くらいとなる。
局:
下級の遊女。局は置屋の中の格子張りの部屋で客の到着を待つ。その後、局一人づつにあてがわれた自分の小さな部屋に客は案内される。局は太夫や格子と違って客を拒むことはできない。それぞれの訪問には3~5匁が必要で、米ドルでだいたい$90~150くらいとなる。
端:
最下級の遊女。端は置屋の格子張りの部屋で客を待ち、その客とは端が間借りしている小さな部屋で会う。端も局同様、客を拒む権利はなかった。一回の訪問にはだいたい1匁が必要で、これは米ドルで、だいたい$30となる。